ウエットフライフィッシング
ウエットフライフィッシング
ウェットフライとは?
■ウエットフライはとても鮮やかな色彩をしたフライが多く、まさにアートな雰囲気があります。イギリスのトラディショナルなパターンに代表されます。ウェットフライは一般的には、水棲昆虫が幼虫から成虫になる過程をイミテートしたフライです。
水底から水面に浮上していく様を模していますからドライフライやニンフに比べて動きをつけて魚を誘う釣法です。
但し、まったく水生昆虫に似つかわしくないど派手な色彩のフライもあり、一概に水生昆虫の羽化を模しただけとは言えない要素も多分にあります。
代表的なフライでは、
・シルバーマーチブラウン
・アレキサンドラ
・ダンケルド
・パーマシェンベル
・プロフェッサー
などがあります。
パーマシェンベル アレキサンドラ
どれもネーミングが怪しいオーラを放っていますね。
これらのフライが、ドライフライでもニンフでもダメな時に、時として爆発的に威力を発揮することがあります。
人間の想像を超えた所での世界というのが、ウエットフライと魚との間で繰り広げられたりするのです。
釣り方
■基本はダウンクロス
釣り方は、基本的にダウンクロスで釣り下がっていきます。流れのやや斜め下流にキャストし、ラインを弛ませずにピンと張る操作をします。そしてわざとドラッグをかけたまま流れを横切らせ、ラインが真っすぐ下流まで伸びきるように流します。つまり、流れをスイングさせる感覚です。
スィングさせることがフライにアクションを意図的に加えることになり、その動きに魚はたまらずアタックしてくる訳です。
■縦のスィング
横にスィングさせるターンの他に、キャスト後に上流側にメンディングを行いラインを弛ませて、一度フライを沈めてから流れを横切らせスイングさせるといい効果がでます。
もっと深い所からの浮上を演出したいなら、アップクロスにキャストし、メンディングでラインを弛ませ、十分にフライを沈ませ下流まで流し、魚のいるポイントのところでラインにテンションをかけると、フライは縦にターンします。
この時が、一番ヒットの確率が高い瞬間かもしれません。
■アップの流し方
ウェットフライも、ドライフライと同じようにアップクロスやアップで釣り上がることも出来ます。
だた、フライが水面にぽっかり浮く訳ではありませんので、ほとんどの方はフライが見えにくという事で、釣り上がりのウエットフライはやりません。
しかし、ドライフライには反応がなかった魚がウェットフライをナチュラルドリフトしたら、ガボッと出ることがあります。
見えないウェットフライを五感を研ぎ澄ませてフッキングに持ち込む醍醐味は、やった人でないと分からないかもしれません。
ぜひ、見えないフライにアタックしてくる魚の気配を感じ、ブックアップする快感を体験してください。
新たな可能性を感じるはずです。
■リトリーブ
使うフライも色々な種類がありますが、代表的なものは、シルバーマーチブラウンやアレキサンドラ、ハーディズフェイバリットなどがあります。ウエットフライは大物を狙う時にその威力を発揮します。またアトラクター的なフライもあり、その場合はルアーのようにリアクションバイトを狙って釣る方法もあります。スイングさせるだけでなく、リトリーブ(ラインを小刻みに手繰り寄せる事)によってアクションをつける釣り方もあります。
ソフトハックル
オレンジ&パートリッジ
他にはソフトハックルといいまして、柔らかい鳥の毛をつかったフライもウエットフライに分類されます。主に、雌鳥の羽(ヘンハックル)が使われます。グリズリーヘンハックルやコックデレオンのヘンハックルは、艶めかしい虫っぽさとやわらかい質感で、水中での動きが、魚を魅了します。
このフライはウエット的な使い方ももちろん出来ますが、イマージングなどの少し繊細な釣りに向いているでしょう。万能フライであり、その可能性はまだまだ発展途上です。
ウエットフライ所感
ウエットフライは、本能的なフライだと思います。マッチザハッチではどうしても取れない魚を、いとも簡単に釣り上げてしまう事があります。
何故釣れたのか分からないから、たまたまで済ませてしまいます。殆どの釣り人は。
しかし、何故釣れたのか分からない部分に、マッチザハッチでは到底及ばない無限の想像力をかき立ててくれる魅力がありますね。
ある意味、マッチザハッチは簡単です。答えが、水生昆虫にあるからです。
似せてフライを作るという、指標があります。
でも、自然界には存在しないであろう派手な色彩と形の様々なウエットフライが
爆釣する様を目の当たりにすると、釣りという分野の果てしないいやらしさを
感じざるおえません。
でも、だからこそ面白くこの壮大な謎解きを
楽しみたいと思う所存であります。